講談社発行”おとなの週末”という雑誌の2005年10月号に「立ち食い蕎麦 大研究」という特集記事があった。メインは”めんくい鈴木”(鈴木正博)氏による都内の20駅の立ち食いそば屋の食べ比べだったが、中に面白い記事があったので紹介します。
以下転載。(参照:講談社発行「おとなの週末」2005年10月号59ページ」。関係者の方、問題があったらご連絡を
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立ち食いの歴史
駅そばの歴史は、はっきりしない部分が多い。業界全体を管轄する組合などの団体がなく、駅そばとしての統計資料もほとんどないからだ。
当時の風俗資料や個々のお店の記録など、断片的な資料を整理してみると、駅そばは、明治30年代に信越本線軽井沢駅で始まったというのが定説のようだ(イカめしで函館本線の森駅か長万部駅とい説もある)。碓氷峠の急峻な坂を上るには、それまでの蒸気機関車からアプト式鉄道に乗り換える必要があった。その際の約15分の待ち時間に客が利用していたと言う。
その後全国各地、特に長距離列車の停車駅に駅そばができていくが、都内に駅そばが登場するのは、確認できているものでは、昭和30年代後半。昭和39年に品川駅で常盤軒が、昭和41年にはジャパン・トラベル・サービスが荻窪駅で、昭和45年には新宿駅で田中屋(現・日食田中屋)が営業を開始している。ちなみに、繁華街などにある立ち食いそばは、昭和40年に初めて登場した。
現在の様に増えたのは昭和50年代以降。JR系の「あずみ」(昭和53年第1号店)や「あじさい茶屋」(平成3年第1号店)などのチェーン店が増えてきて、現在に至っている。